ドラマ「シグナル 長期未解決事件ファイル」感想

ネタバレを含む感想なので先ずザっと言わせてもらいますと、ちょ~~~~面白かった。

 

坂口健太郎さん主演に、二人目のメインキャラクターとして北村一輝さんというコンビで進むストーリーなんですが、ラストに至るまで刑事になった二人が顔を合わせることは一度もなかったという、本当に無線を通じてしか二人の刑事はコンタクトしなかったドラマでした。(※坂口さん演じる三枝の幼少期には面識がある例外あり)

 

無線って何? これ刑事ドラマなの? という疑問から入っていくと、このドラマは、

小学生だった自分が真犯人を見ていた事件について時効を迎えるというとき、三枝巡査は一つの古いトランシーバーを見つけ、その電池も入っていないのに通信ができるトランシーバーを介して過去の時代を生きる大山巡査部長と協力して過去の未解決事件を解決していく……という展開であることをここで説明しておきます。

 

三枝が生きているのは2018年、大山が生きているのが2000年前後。だいたい18年の差があります。

 

これ、初回だけを観た当初の感想としては、「真犯人を見たと言っている子どもがいるのに、その子どものシグナルに気付かない大人」の構図なのかなと思いました。で、最近よく目にするタイムスリップまたはループ系の作品へ向けた「過去は変えられない」というアンチテーゼになってるのかな、とも。

だって結局、三枝は真犯人を逃してしまったので。まあ別の事件で逮捕でき、かつ最終回では時効になる前に(おそらく大山が)真犯人を捕まえられていましたが。

 

ふたを開けてみると、過去をもとに未来を変え、さらに変わった未来をもとに過去も変えたという、歴史改変的な内容になっていました。

 

さらにこのドラマは「一話完結モノ」ではなく、全体を通して複数の連なる事件を解決していくので、一週たりとも見逃してなるものか! という視聴熱が湧き出てきました。「これはなんだろう? こうかな?」と思わせる謎解き感も。

 

個人的に中本管理官の結婚指輪がやたら映ってた気がしたので、なんかそこらで中本家の絡みがあるのかなと思ってたんですが、あれは三枝の兄を襲ったのが中本だったという演出と「中本も岩田と同じく家族を人質にされていたのでは?」と匂わせるためだけだったのかな~と若干落胆(笑)。

 

あと気になるのが、大山はどうして「(次に通信してくるのは)過去の俺です」とわかったんだろう……ということ。たぶんこれは私が見逃してるだけかな。

 

どうしてあの無線が過去と通信できたのかについては、もう大山の執念でいいか~とも思う。無線の謎が主題ではないし。あとは桜井さんの愛のパワーでいい。

 

そして「真犯人を見たと言っている子どもがいるのに、その子どものシグナルに気付かない大人」の構図~っていうのは、三枝の兄や武蔵野事件の被害者の女の子とか、あるっちゃあったけど、それがメインではなかったな。

 

「過去は変えられない」に関しては思いっきり大山が生存してしまったので覆されました。生きててよかった。

でも変えることができた死ばかりではなく、綾香ちゃんやみどりちゃん、三枝のお兄ちゃんが死んだことは変えられなかったし、岩田係長もおそらく死んだままなので、なんというか、ハッピーエンドではなかった。そこがいいんだが。ビターエンドっていうんですかね。そんな感じでした。

 

一番感動したのが最終回で桜井が三枝のことをちゃんとおぼえていたこと!

無線で通信した人間の記憶は改変されないっぽいのでおぼえてるだろうとは思ったんですが、やっぱり「三枝健人」でぶわっときました。

 

そして全話での(三枝と大山にとっての)ラスボス・中本さえもサクッと殺されてしまう政界の闇が見え隠れするところでストーリーは終わり。

 

これ続編あるやろ? と思わせる終わりかただったんですが、続編なくてもそれはそれで視聴者には想像の余地が残されていて楽しめるな~と感じています。でももう過去と通信する意味はなさげか?

っていうか原作あるので気になるならそっちも入念にチェックすれば満足できるようでもある。続編を期待しているというのが本音だけど。

 

 

予告CMからして魅力があったドラマ、観て損はなかった作品でした。

つい11:23を意識してしまうこのごろ。