私がデューク・バンタレイを好きな理由

 私には「どうしても好きなキャラクター」が三人います。
ひとりは先日記事にしたジャイロ・ツェペリ。

 

 

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今日はもうひとり、Xbox360・PS3にて発売されたゲーム、テイルズオブヴェスペリアに登場するキャラクター、デュークについて語ります。
 
 
私はデュークが好きです。
大好きです。
 
 
何が好きかっていうと、
 
なぜ好きなのかっていうと、
 
それにはまずヴェスペリアとデュークについて少しWikipediaから引用させていただきます。
 
ほいっ。
 
デューク・バンタレイ (Duke Pantarei)
声 - 小山力也ミステリアスな雰囲気を漂わせる銀髪の美丈夫。ユーリたちの前に現れては時に諭し、時に戒めるような謎めいた言動を繰り返す。皇帝の証・宙の戒典を所持しており、それを手に各地のエアルクレーネの暴走を鎮めて回っている。人間や俗世との関わりを断ち、始祖の隷長たちに近い位置で世界の行く末を案じ、行動していた。ユーリたちとは異なる正義と揺るぎ無き信念を持ち、そのためにユーリたちの前に立ちはだかる最後にして最強の壁となった。
 
現在はどこにも所属していない放浪の身だが、かつての身分は皇帝家に連なるほどの位の高い貴族であり、騎士団にて従軍の経験もある。アレクセイ直々に復帰を求めるほどの実力者で、始祖の隷長エルシフルとともに人魔戦争を終結させた英雄。しかしその後、帝国がエルシフルの力を危ぶみ彼を殺害したことから人間たちに失望し離反。宙の戒典を奪取し帝国を去った。それらの記録は全て帝国から抹消されている。
 
本作のラストボス。戦闘はデューク、デューク第二形態と連続二回行われるが、特定のサブイベントを発生させると二回戦リザルト後に「虹翼まといし者」という第三形態との戦闘に突入する。パラメータが大幅に上昇するだけでなく、ユーリ達の技をも使用し、一定以上体力が減ると「凛々の明星」というユーリ達の秘奥義を複合した秘奥義で体力を大幅に回復する。
(Wikipediaより)
 
 
注目していただきたいのはココですね。
 
本作のラストボス
 
 
コレです。
ココです。
まずココです。
 
 
テイルズオブヴェスペリアとは剣と魔法のファンタジー、ゲームジャンルでいうとRPGです。
作中、主人公ユーリとその仲間はしょっちゅうバトルします。そうやって敵を打ち倒していくゲームです。
 
今日語らせていただくデュークという男性は、そんなゲームを締めくくる、そう、主人公たちが最後の最後にバトルするラストボスなのです。
 
 
次にココ。
 
>騎士団にて従軍の経験もある。アレクセイ直々に復帰を求めるほどの実力者で、始祖の隷長エルシフルとともに人魔戦争を終結させた英雄。しかしその後、帝国がエルシフルの力を危ぶみ彼を殺害したことから人間たちに失望し離反。宙の戒典を奪取し帝国を去った。
 
 
……特殊な用語も出てきたのでざっくり解説させていただくと、
 
このヴェスペリアの世界を治める帝国の軍事力として騎士団があり、デュークはこれに籍を置いていたものの脱退。しかしその剣術の腕前を惜しみ、騎士団長アレクセイが復帰を要請したほど。
 
また、始祖の隷長という強大な力をもつモンスター・エルシフルとデュークは種族を越えた友情をはぐくんでいました。
 
ところが、デュークとエルシフルがそろって大きな戦争に参加し、帝国の味方をしたところ、エルシフルがあまりにも強すぎたため、これを危ぶんだ帝国は秘密裏にエルシフルを殺害
 
デュークは帝国および人間に失望し、帝国の宝である宙の戒典を奪取し帝国から離反した。
 
……ということです!
 
 
もっとわかりやすく説明します。
 
 
デュークは大切な親友を祖国に殺され、「せっかく戦争で勝利に貢献してやったのに! もう人間なんか信用するかバーカ!」と決意し、国宝を奪って脱走した。
 
 
ということです!
(※口調はわかりやすく改変しています。)
 
 
この一連の事件が、デュークが作中、主人公ユーリと対峙するひとつの要因となったのですが、そのほかにも原因が。
 
 
それは、
 
「人間が好き勝手に魔法を使うから、世界がエネルギー過多になって天災が起きた」
 
です。
 
 
これはヴェスペリアの中盤~終盤にかけて取り沙汰される、メインになる問題なのですが、
デュークはこの問題に対し、
 
「いっそ人間だけ滅ぼそう」
 
といった行動に出ます。
 
 
それはなぜか?
 
その理由とは?
 
 
上記のWikipediaから引用した文には載っていませんが、デュークは帝国から奪った宝・宙の戒典というアイテムを使い、人知れず世界の自然エネルギーのバランスを正常に保ち続けていました。
 
ちょっとここもざっくり説明しようと思いますのでお付き合いください。
 
 
ヴェスペリアの世界には「エアル」という自然エネルギーが存在します。
このエネルギーを使い、人間は魔法を使ったり、機械を動かしています。
人体にも存在しているほか、エアルクレーネというエアルの源泉から湧いて出てきます。
 
しかしこのエネルギー、大量にあふれると自然界のバランスが崩れてしまうのです。
 
モンスターが狂暴になったり、人体に悪影響が出たり、しまいにはエルシフルなどの始祖の隷長が進化を遂げ、「星喰み」という世界の存亡を脅かす存在になったりします。
 
世界はたまったもんじゃありません。
 
 
だけどヴェスペリアの世界に住む人間は魔法を使うし、エネルギーを大量消費したりします。
 
 
簡単に言うと環境汚染ですね。
 
その環境汚染問題がヴェスペリアの終盤にかけてのテーマともなり、デュークがユーリと敵対する原因になりました。
 
 
ユーリ(および世界の支配層)の言い分はこうです。
 
「もう機械を使うことはしない。エアルに代わるマナという新しいエネルギーも見つけた。マナは環境汚染は引き起こさないし人間はもう機械を捨てる」
 
 
これに対するデュークの言い分はこうです。
 
「人間がいつでも身勝手に振る舞うことは身をもって知ってるし都合のいいことしか言わない、これからもそれは変わらないだろうから、諸悪の根源である人間だけ世界から消えれば万事解決」
 
 
ああー、どっちも極端!
 
書いててヤキモキしてきましたが、私、どっちの言い分に納得したかというとデュークのほうだったんです。
自分の両手はユーリを操作してるのに。
 
それがデュークを好きになったきっかけでもあります。
 
 
だってデュークは、べつに世界すべてを滅ぼそうとしてるのでは決してなく、あくまで世界の自然環境を安全に維持するためにラストボスとしてゲームの最後に立ちふさがってきたわけです。
 
そこにユーリは待った!をかけたのです。
 
諸悪の根源だからって人類滅ぼすことはないんじゃないの、と。
 
 
擁護するつもりではありませんが、デュークにとって、親友を殺したような人間よりも、始祖の隷長というモンスターのほうが心のよりどころになっています。
 
モンスターや動物が気ままに暮らしていることがデュークにとって平和でしたし、なにより彼が10年もの歳月おこなってきたであろう「自然界のエネルギーをバランスよく維持する」という役目は、本来ならば始祖の隷長がおこなう使命なのです。
 
(始祖の隷長はエアルを食べることによって環境汚染が起こらないよう何千年も生きている)
 
 
そこにとつぜん、
 
 
ユーリ「新しい(けどまだ詳しくは解明していない)エネルギー源を見つけたからもう世界は大丈夫! (確かな保障はできないけど)この新しいエネルギーで星喰みもやっつけられるよ!」
 
なんて来られても、
 
 
デューク「いや知らんし、人間の体内にあるエアルを全人類ぶん使えば確実に星喰みは消せることはわかってるし、なにより人間は何度も失態見せてきてるやん」
 
ですし、
 
 
ユーリ「人間を信じろ!」
 
と今さら言われても、
 
 
デューク「無理(俺の親友を殺したのは人間だって知ってるよな?)」
 
ですよ。
 
 
(実際、ユーリたちの「星喰み対策」はぶっつけ本番でなんの確証もなかったし、ユーリたちは国に親友を殺されたデュークの話を事前に聞いてた。)
 
 
ちなみに、
 
ユーリ「アンタも人間なんだから、アンタがやることやったらアンタも死ぬじゃん! え、それでいいの!?」
 
というのに対しては、
 
デューク「是非もない(しゃーない、これも世界守るためやし)」
 
という姿勢でした。
 
 
(※口調はほぼわかりやすく改変しています。)
 
 
 
まあそれはともかく、話を整理しますと、
 
デュークの魅力は国に裏切られた過去から成り立つ、揺るぎない「世界(自然界)安寧」への姿勢
 
であります。
 
 
具体的に言うと「一度決めたことを貫徹しているところ」です。
 
 
このデューク、じつは作中、ことあるごとにユーリたち主人公一味に助太刀してきました。
 
それは「ユーリたちが敵対している相手が環境汚染を悪化させる行為をしている真っ最中だったから」です。
 
 
つまりユーリたちだから助けていたのではなく、一から十まで「環境汚染がこれ以上進まないように動いて、状況を悪化させている標的に近づいてみたら、たまたまユーリたちがその標的を退治しようとしていたからついでに助けた」のです。
 
 
思い返せばデュークの行動理念はことごとく「世界の環境を守るため」でした。
 
 
ここまでブレないキャラクターがいるんだ、と私はゲームプレイ時、感動しました。
 
 
 
さらに感動したのが、ヴェスペリアのシナリオブック(ゲーム中に登場するキャラクターのセリフやイベントを網羅したファンブック)に収録されていた後日談です。
 
 
ここから先はゲーム終了後のネタバレになるのですが、もう何年も前の作品だからネタバレしてしまうとして、
 
 
デュークは結局、バトルに敗れたすえに折れ、ユーリたちに環境汚染問題の解決を任せることにしました。
 
 
しかしこの時点では「ユーリたちに免じて妥協したに過ぎない」ということは忘れてはなりません。
 
 
後日談では、生活基盤として存在していた便利な機械たちを放棄したユーリたちの日常が描かれています。
 
ユーリたちがモンスター退治に各地を訪れていたところ、そこにデュークがふらっと登場。
 
モンスターを愛するデュークは力ずくで退治することなく、モンスターの興奮をおさめることに成功し、そのまま退場。
 
ユーリたちは「また人間が何かやらかしたら今度こそアイツ(デューク)が黙ってない」と改めて実感しました。
 
 
何に感動したかって、後日談においてもブレないその姿勢です……。
 
 
ふつうこういうときのラスボスは改心するか改心せず自死するか殺されるか、みたいなところですが、デュークはとくに心は入れ替えず、後日談でも素のまま(ゲーム中の性格のまま)行動していたのです。
 
 
 
たぶん、また何か問題が起こったら今度こそ容赦しないんだろうなとプレイヤーに思わせられる振る舞いに私は惹かれたんだろうと思います。
 
そこまで想像させてくれるキャラクターって初めて出会いましたし、一貫しているその姿勢、素直に尊敬します。
大して思い悩む描写もなく、切り捨てるものはスパッと切り捨てるその生きかた、とても潔いんです。憧れすぎてキリがない。
 
 
以上、私がデュークを好きな理由でした。
 
ヴェスペリアの主人公ユーリもわりとスパスパいくキャラクターなのでおもしろいです(こちらはデュークと対照的に葛藤したりしますがそこも人間味があって良い)。