「シン・シティ」感想
映画「シン・シティ」視聴。
なんかスゴいもん観たな。
という感想。
モノトーンの中に、おもに赤の差し色が終始入っている作品。
オープニングにもコミック調の画が使われており、「これは漫画だ」と思わせるような演出だった。
よけいな色彩や明るさはない。アメコミに近い、というか、まず、そうである。それが前提なのだ。ハードボイルドチックなアメコミなのだ。
しかしこの作品の魅力は白と黒の画だけではない。
群像劇の主人公たち男三人が、この作品の最も強大な魅力だ。
この男三人はそれぞれがそれぞれの女のために敵と戦うのである。女を追い詰めた敵に報復すべく立ち向かっていくのだ。
モノローグは主人公目線。つまり男の語りばかり。それがなんともいえない渋さと硬さを見せつけている。
ところでこのシン・シティは群像劇であり復讐劇なのだが、ループ物でもある。
物語の最後まで観終わったとき、カメラは作品の冒頭へ続くシーンを映すのだ。
この仕掛けには驚いたし、作中主人公の一人を追い詰めた人食人間が終盤にその顔を覗かせたときは背筋が凍った。これはきちんと三人すべての主人公のストーリーを観てこその面白さだと思った。
話は逸れるのだが、ウェイトレスの女の子は結局どうなったのだろう……。彼女との色恋はどうなったんだ……。
ひたすら「カッコよさ」に触れさせられた映画だった。