「ミッドナイト・イン・パリ」感想

 婚約者とその家族とパリ旅行に来たギルは小説家志望のハリウッド脚本家。

ギルはなかなか小説が書けない。婚約者イネズはパリで再会した大学の級友ポールに夢中になる。一方ギルは、真夜中0時、ヘミングウェイやダリやピカソが生きていた時代にタイムスリップする。

 

 

作品冒頭にてポールが「過去に憧れるのは現代を拒絶している」と言い切ったため、ギルは、現代に辟易し、過去を黄金期と崇めているに過ぎず、タイムスリップは現実に起こった出来事だったとしてもしょせん幻想を抱いているにすぎないんだろう、と自ずとインプットされたまま視聴を続けることになった。

 

おまけに婚約者イネズはギルが書いている小説の主人公について「ノスタルジー・ショップで過去の物を売るなんて変人よ」と語っている。

しかし最終的にギルとカップルになる(そういう未来を予知させる)ガブリエルは、まさに骨董品店で働くスタッフ。

つまりギルとガブリエル、変人同士がくっついたということなのだろうか。まあ、これはイネズたちから見た価値観なので、ギルらからしてみればイネズたちのほうが「変人」なのだろう。

 

すっごくリラックスして観ることができた映画だったんだけど、過去との向き合い方、自分が生きる時代との向き合い方について考えさせられた。

黄金期を生きていた人たちがその時代についてどう考えていたなんてわからないし、時間の流れを変えることなんてできないんだなぁ。

 

ヘミングウェイもカッコよくてすごいなーと思ったんだが、ダリのインパクトと面白さが随一だった。出番少ないのに強烈。