ドラマ「リバース」感想

ネタバレ有り。

 

 

このドラマはあくまでも事件解決ではなく「死者と向き合う」ことを課題とした物語だと感じた。

どうやって死者と向き合うか? それは人それぞれだし正解なんてないんだろうが。

 

もうひとつ、「死者が生んだ絆、出会い」のようなものも描かれていた。

広沢の母親と小笠原さんや、そもそもメインの同級生四人も広沢が死んだからラスト、あそこまで仲が深まった。深瀬と美穂子は言わずもがな。

「人が死ぬ」って、そういう側面がある。

姉が死んだ後、姉の同級生と初めて遊びに行く機会が生まれたことを思い出した。これと同じ感じで、広沢が死んだからこそ温まった絆、があった。

 

個人的に広沢の母親が好きだな。

たぶん大事な人が死んで、あるいは殺されたも同然と知ったとき、綺麗事を言える人なんて嘘っぽいし、広沢の母親はそれをしなかったから(こう言うと変だが)ホッとした。「人間っぽさ」が出ていて。

彼らを許さなくていいんですよと言った小笠原さんも良かった。

そこで広沢の両親や小笠原さんが深瀬ら四人を許しでもしたら、きっとドラマが台無しになってただろうなあと思う。

 

しかし深瀬はまた就活を報告して喜び合える人が見つかってよかったなあ。それがまた年の離れた小笠原さんだったから面白い。

にしてもラストに主題歌が流れると、最終回なはずなのに次の謎が出てきた気がして、なんだかどうしても緊張してしまった。(笑)

 

広沢の父親のセリフ「(誰かが死んだことによる苦痛などは)生きてる人間が埋め合わせしていくしかない」というのに、本当そうだよなあと頷かされた。

 

観てよかったなあと思えたドラマだった。