「ものすごくうるさくてありえないほど近い」感想

やっと観終わりました。

めちゃくちゃ泣いた。

 

感動とかも、もちろんあるけど、なんというかオスカーが痛々しくて泣いてしまった、のほうが正しい。

 

9.11で父親を亡くしたオスカー少年が、父の遺品であるカギに合うカギ穴を探す。祖母の家の間借り人を巻き込んだ捜索は終わる気配がない(アメリカじゅうを探してる)。

母親のあいだに溝ができたり、間借り人と衝突したり、紆余曲折を経て、ようやく手がかりが見つかったが、カギ穴はオスカーが望むような、父親ゆかりの物ではなかった。

 

おおまかに言うと以上のようなあらすじ。

 

物語の発端が発端なのでオスカーの精神状態は全編をとおして良くなく、出てくる人みんな何かを失ってる。母親も気落ちしてしまってる。決して明るいストーリーではない。

よって鑑賞を続けるのも心苦しかったが、父親からの、そして母親からの愛情だとか、オスカーから両親への愛情だとか、夫から妻への、妻から夫への愛情だとかを伝えてくる作品だと思った。

 

個人的に好きなシーンは、帰ってきた間借り人が居心地悪そうにしている中、オスカーの祖母は黙って間借り人の目の前に自分の荷物を置くシーン。

セリフはないんだけど、間借り人同様、ニヤリとしてしまった。

 

あと、オスカーの頭の良さ、記憶力の良さは母親ゆずりだと思った。ふふ。

 

暗い雰囲気だけど、観てよかったなと感じられた作品だった。

終始、父親という「死んでる人」と向き合う話だった。