「イエスマン」感想

 水色の空に両手を広げて全身弾んでいるビジュアルを見て、どれだけハッピーな映画なんだろう、と思い気になっていた「イエスマン」。

さわりだけ観るつもりが、気付けば深夜1時を過ぎるまで、最後まで観てしまっていた。

 

 

まず、イントロから季節感たっぷりの「Separate Ways」が流れ始める。

(WBCの試合前に流れるあの曲。)

 

観る映画間違えたかな?

いやいやそんなことはない。

 

なんと、主人公の着メロでした。

しかしこの曲がのちのちキーソングになろうとは、このNOマン主人公を見ている時は夢にも思わなかった。

 

バツイチ銀行マン、親友2人はいるが付き合いは悪い。仕事もカタい。そんな主人公が、ある日をきっかけに「YES」という自己啓発セミナーに行く。

このセミナーのオーナーテレンスは「どんな質問にもイエスと答えろ」と言う。

半信半疑だった主人公カール。だが、なかば無理やりイエスと答えるうちに、人が変わったように何もかもがハイになる。アリソンという恋人もできた。昇進もした。交友関係も広がった。

しかしそんな「イエス」と答えるばっかりだったのが災いし、とんだ容疑をかけられてしまう。愛しのアリソンも離れていく。なんとしてもアリソンの心を取り戻したいカールだが、不幸は続き、交通事故に遭ってしまう。

 

こういったあらすじ。

まず魅力的だと思ったのが、主人公カールの俳優さんの顔芸の振り幅が大きいこと。

それだけで見ていて楽しかった。

 

そして前半で見せられたことの大半が終盤に繋がっていき、クライマックスが大盛り上がりだったので、笑いながらもスゴイなあと思ってしまった。

というのもわかりやすい伏線、アイテムばかりだったのだが、その「わかりやすさ」が私にとってちょうどよかったんだろう。

 

カールが自殺しようとしている青年を助けるシーンがお気に入り。窓枠からヒョコッと出てくるんだもん、あれは卑怯だ。

 

決して上品ではないんだけど、見ていて気持ちのいいギャグ映画だった。

私もイエスの使い分けには気をつけたいと思った。